先日、大桟橋に停泊しているところを写真に収めました。
(ベイブリッジの桁下は55m。ぎりぎりなのです)
(この時点で船の存在に気づきます)
(みなちみらいの3ホテルが束になってかかって、ようやく対抗できるほどの大きさなのです)
横浜港では飛鳥Ⅱ、ぱしふぃっくびいなすに次いでよく見かける船なので、まとめてみました。
とはいえ、比べてみないと大きさもわからないでしょうから、北海道行きのフェリーと比較してみました。
舞鶴―敦賀―小樽を結ぶはまなすは、日本最大級のフェリーです。
こうしてみると、フェリーの自動車運搬船という性質を考慮すればなおさら、クルーズ船がずんぐりむっくりしていることが分かります。
積載量によって喫水線が変わるので、フェリーの水面高は分かりませんでしたが、見た感じ客船は腰高で重心が上にある印象があります。
それと、22.1ノットは時速に直せばおよそで40.1㎞/hになりますが、フェリーの俊足ぶりが目立ちます。
ところで、船尾についている国旗は、英領バミューダ諸島のものです。
これは貨物船にリベリアやパナマ船籍の船が多いのと同じように、便宜置籍船といって、船籍を置くことによる税金を抑えるための措置で、プリンセス・クルーズという船会社自体はアメリカに存在します。
そこで思い出したのですが、大型の船は不動産だって聞いた記憶があります。
しかし、民法の授業では不動産の定義は「土地およびその定着物」って覚えますよね。
正確にいうと、大型の船舶や航空機、建設機械など、動きはするものの移動に手間やコストがかるものは、それぞれ特別法によって不動産に準ずるものとして扱われるのだそうです。
旅客機は、航空会社ではなくリース会社が所有しているという話も聞いたことがあります。
不動産同様、容易には移動できないし、財産的な価値や規模を勘案しても不動産に匹敵するからというのが理由です。
たしかに、クルーズ船などホテルと同じものが船の上に載っているわけですから、お金さえあれば年単位で居住できてしまいます。
(ずっと遠い将来、仮に人間が地上に住めなくなったら、こうした船をつなぎ合わせて水上で生活するなんてこともあるかもしれません。)
そして、もしこうした大型クルーズ船を動産として扱ったなら、経費が物凄くかかって船会社はおおきく節税が可能になります。
それでは地上のホテルに対しても競争力がつきすぎてしまいますし、船自体をリースして莫大な所得を得ることも可能になってしまいます。
そんなわけで、20トン以上の船舶については、船舶法及び船舶登記令によって不動産に準じた扱いになるのだそうです。
船会社の方は、この不動産である大型船舶について少しでも租税を回避しようと、先に書いた通り船籍について税金を低く抑える政策をとっている国で登録するということです。
ここまで調べて、営業の苦労を想像してしまいました。
ホテルって、バンケットにしろ、客室にしろ、大型であればあるほど空室を埋めるのに苦労するのです。
バブルがはじける前は、何百人収容のホテルで大宴会を行ったというのが伝説になっていましたが、その後そうした大型ホテルはリピーターの獲得に苦労していました。
動くホテルと呼ばれるクルーズ船なら、世界規模で集客ができるからその点は有利なのでしょう。
それでも、おそらく説明会や内覧会をまめに開いて集客に努めているのではないでしょうか。
スミマセン、夢の大型クルーズ船を対象に、最後は仕事の話になってしまって。
(今年は台風の当たり年だから大丈夫でしょうか)