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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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北鎌倉駅前の喫茶店「門」にブロンプトンをつれて

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(北鎌倉駅前。鎌倉駅と違って、ここちらは殆ど昔のままです)

子どもの頃、鎌倉駅の東口に、「扉」という名前の喫茶店がありまして(今でもちゃんとあります)、小町通には「門」という喫茶店がありました。
これで一の鳥居あたりに「開閉」とか「外構」という喫茶店があったら完璧だったのですが…。
冗談はさておき、扉の方は鳩サブレで有名な豊島屋さんがやっていることは、鎌倉の住人ならだれでも知っています。
で、もうひとつの喫茶店もお名前から関係があるのかと思いきや、全く関係ないそうです。
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(ドラマ水戸黄門の題字とよーく見比べてみてください)

こちらの「門」は夏目漱石の円覚寺(えんがくじ)における体験をモティーフにした小説「門」(http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/785_14971.html)からとったのだそうです。
彼は27歳のとき、失恋が原因でノイローゼ気味となり、半月ほどの間円覚寺の塔頭(帰源院)に籠って参禅をしたらしいのです。
だから、鎌倉小町通にある門(50年近く続いたお店だったそうですが2年ほど前に閉店しました)よりも、こちら北鎌倉の円覚寺門前にある「門」が本店です。
あちらが1969年の開店ですから、こちらはもっと古いのでしょう。
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(円柱のソファといい、ペンダントライトといい、一輪挿しといい、なんと懐かしい)

ああ、迂闊でした。
むかし鎌倉に住んでいた文学好きなのに、漱石の「門」はノーマークでした。
しかも、この喫茶店の「門」の字は、長く円覚寺の管長をつとめた朝比奈宗源禅師の手によるものです。
師は昔お馴染みだった「大岡越前」や「水戸黄門」の題字を書いていたことでも有名です。
(水戸黄門のタイトルバックの「門」と、喫茶店の「門」の筆跡がぴたりと一致しますので確認してみてください)
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(お向かいには豊島屋さんが…昔はなかったはずです)

ということで、時代劇好き、文学好きのシニアさんはぜひ立ち寄ってみてください。
1960年代の雰囲気を残していて、いつだったか旧東海道の旅で行った三島のレストランアサカ(http://blogs.yahoo.co.jp/brobura/38374700.html)と似たような雰囲気ですよ。
その時代の香りを下の映像で確認できます(冒頭と2分45秒くらいから)。
もちろん、今も雰囲気は同じです。
 
(非行少年 若者の砦(1970年 日活より)

なお、私は店内に誰もいないのを確認してから、断ってブロンプトンをテーブルの下に置かせてもらいましたが、15席の小さなお店です。
複数台で行く場合は、北鎌倉駅前を左手(建長寺方面)へ120m行った右側にある市営の駐輪場に150円支払って自転車を停めて、他のお客さんの邪魔にならないようにしましょう。
円覚寺や東慶寺(この二寺には駐輪場がありません)の参拝とセットで訪れることをお勧めします。
円覚寺には漱石の句碑が、東慶寺にもやはり彼の参禅100周年記念碑があります。
このお店のドリップコーヒーを飲み、小説の「門」を読みながら、禅の瞑想に救いを求めた漱石に思いを馳せてみるのも一興です。
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