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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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今昔横浜名所図会;横浜ベイブリッジ

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先日、横浜港に3代目のクイーンエリザベス号(以下QE)が寄港したのですが、接岸したのは大桟橋ではなく大黒ふ頭でした。
たしか昨年は大桟橋につけていたのに、どうしたのかと思いました。
イメージ 1
(大桟橋に停泊するQE)

QEの全高は56.6m
それに対してベイブリッジの桁下は橋桁部分で海面から55mです。
前回は干潮時を狙ってぎりぎりの高さで通過したのだそうです。
(ベイブリッジの長さは860m、中央支間長460m、幅40.2m、塔高は172mです)イメージ 2
(大黒大橋からみるベイブリッジ)

しかし出港時はともかく、天候に運航を左右されやすい大型船は入港時刻をぴたりと定めることはなかなかできません。
遅延して入港時刻が遅れ、横浜港への入港を神戸港へ変更したこともあったようですし、今回は無理なく大黒ふ頭接岸を最初から決めていたのでしょう。
けれども、大黒ふ頭は貨物専用のふ頭であり、横浜の街の中心部に移動するにはバスを何台もチャーターして橋を渡る必要があります。
そして、また夕方になると大黒ふ頭の船までバスで戻らねばならないわけですから、乗船客からは評判が良くないようです。
イメージ 3
(ベイブリッジのすぐ下まで寄るには、大黒ふ頭へ回らねばなりません)

横浜ベイブリッジが計画されたのは1977年(昭和52年)のこと。
着工は1983年(昭和58年)で開通が1989年(平成元年)9月です。
そのころ、日本は高度成長期からバブル経済がどんどん膨らんでゆく時期に重なっていました。
世の中はレジャーブーム、リゾート開発ブームでしたが、さすがにその時点で大型クルーズ船の時代が来ると予見できた人は殆どいらっしゃらなかったと思います。
(大型船がまるで大型ビルを載せたように全高が高くなるということや、バブルが崩壊して、長期にわたって景気が低迷し、豪華一辺倒から堅実で裾野の広い余暇産業が生き残ることも含めてです。)
イメージ 4
(大黒ふ頭側からみた横浜港。夕景に富士山を重ねて望遠で撮るのが定番です)

いま、横浜港ではベイブリッジの外側の本牧ふ頭に旅客ターミナルを新設することも検討しているそうです。
しかし、一番観光地区に近いA突堤でも新山下にある横浜市立みなと赤十字病院の先です。
自転車でもあればそれほどアクセスに難儀することも無いのですが、歩ける距離ではありません。
きっとみなとみらい線をもう一駅伸ばすとか、あらたにトラムを走らせるとか、インフラを作らねばならないし、本牧ふ頭を一部でも旅客化すると、その代替の貨物ふ頭を作らねばならないから、簡単にはゆかないのでしょう。
イメージ 5
(冬の朝の日の出-みなとみらい大橋から)

旅客船の寄港数と貨物の取扱量のどちらもゆずれないのは分るのですが、横浜のような美しい港に今後もたくさんの旅人を乗せた船が寄港することを願っています。

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